多様な人材が活躍する職場

“微生物”で世界に貢献。そのビジョンを共有し“創造性”育成のための環境を整える。 -フジワラテクノアート-

株式会社フジワラテクノアート

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フジワラテクノアートは醤油・味噌・⽇本酒・焼酎などの醸造⾷品⽣産機器、プラントメーカーとして国内シェア80%を誇ります。現在は世界20数か国へ製品を輸出、醸造を原点に世界で「微⽣物インダストリー」を共創する企業です。
同社では2050年になりたい姿として「開発ビジョン2050」を策定し、海外市場での営業拡⼤のほか、国内では醸造以外の飼料や⼀般
⾷品、エネルギー分野などでの営業拡⼤、次世代醸造プラントの開発(省力化、無⼈化、環境配慮等)による醸造分野での更なる展開をはかり、「微生物インダストリー」を共創する企業として新たな市場を⽣み出すことを⽬標にしています。社員⼀⼈ひとりが⾃律型で創造できる⼈材となるよう、楽しみながら新たなことにチャレンジできる職場づくりに取り組んでいます。

取締役副社長 藤原 加奈 氏

【事業の現在】
醸造⾷品⽤設備・プラントで国内シェア8割。海外展開も活発

醤油、味噌、清酒、焼酎、酢、みりん…など、和食に欠かせない醸造食品。微生物の発酵作用を活かした食品製造は、かつては熟練の職人が経験や勘に頼っていた部分が大きかったが、今や多くの工程が機械化され、品質の安定や生産性の向上を実現させている。
フジワラテクノアートは醸造食品向け設備・プラント開発メーカーだ。国内醸造業界におけるシェアは8割と圧倒的で、高品質な醸造食品の安定的生産に寄与している。海外展開も活発で、同社製設備は世界20数カ国に輸出されている。
「醸造用設備の耐用年数は40年くらい。長く使われるので、お客様も妥協はしません。全て製品はオーダーメイドで、私たちはそれぞれのお客様の異なる声を的確に汲み取り、設備に反映してきました。開発からアフターフォローまで、御要望に丁寧に応える姿勢が、長期的な信頼につながったのではないでしょうか」
と、同社副社長・藤原加奈氏はシェア要因を分析する。横の結びつきが強い醸造業界で1500社に上るメーカーと取引関係にあるのは、同社が一つひとつの案件に真摯に向き合ってきたからだろう。

【将来の方向性
従来とは異なる新たな発想で国内外の新市場を開拓

同社は、微生物の力を追求し、多様なパートナーと共に新たな市場や産業を創ろうという意思のもと「開発ビジョン2050<世界で微生物インダストリーを共創>」を掲げた。このビジョンの実現に向け、同社は部門横断型の委員会を組織し、AI活用、固体培養技術、CO2削減など15の開発プロジェクトを並行して進めている。
中でも「醸造業界を超えた市場開拓」は重要な課題だ。
「醸造生産には発酵だけでなく“蒸す”“炒る”などの工程もあり、菓子・茶葉製造など一般食品業界に応用が利きます。また、麹菌の固体培養技術を応用した“機能性飼料”の開発も行っており、“生産性の高い飼料”という世界的ニーズに応えられる可能性があります」
各プロジェクトの取り組みを全社的にわかりやすく伝えるため、プロジェクトを動画で紹介する試みも始めた。内容を取材し動画撮影・編集を行うのは、若手社員たちだ。
「全社一丸でビジョンを実現していくためにも、社内でどんな開発が進んでいるのか、全員で共有することが大事だと考えています。何より、取材にあたる若手にとっては、部門を超えて視野を広げる絶好の機会となっています」
海外市場も拡大中。海外では日本食文化がさらに広がりを見せるほか、アジアを中心とする地域には、日本とは異なる醤油や味噌などの醸造文化もある。
「これらを加速させるには、社員が創造性を発揮することができる環境・仕組みが大事です」

経営企画室 頼 純英 氏
経営企画室 久岡 玲子 氏
経営企画室 木寺 耕太郎 氏

働き方改革
社内ベンチャーコンテストや教育の充実で、イノベーティブな空間を創る

同社には部門横断型の委員会が他にも複数設けられている。その中の「業務インフラ刷新委員会」を取りまとめるのが、経営企画室・頼純英氏。IT企業からの中途転職者である頼氏が取り組むのは、ITインフラのレベルアップだ。
「コミュニケーションツール、生産管理システム・会計システムの改善、目標管理システム・協力会社向け発注システムの導入などIT環境の整備が進んだことで、社員たちの情報共有は劇的に早くなり、業務効率は大きく向上しています」
一方、経営企画室・久岡玲子氏が主導するのは、開発ビジョンの社内浸透だ。2019年には社内ベンチャーコンテストを企画し、年末には8プランのプレゼンが行われた。
「”海洋ごみを回収し、微生物の力で分解する装置開発”や“日本中の美味しい醸造食品を楽しめるフジワラ食堂事業”など、どれも当社の技術や強みを活かしたユニークなビジネスプランばかり。ビジョンの浸透の手応えを感じました」
経営企画室・木寺耕太郎氏が着手するのは、教育制度の整備。
「当社には独自の人材育成システムがなく、OJTに比重を置きすぎています。“フジワラ塾”と称する若手教育プログラムを稼働させました。フジワラ塾では、製造・技術設計のコース別で月2回の講座を開設。ものづくりの基礎となる材料力学や機械力学に関する講義を行っています」
講師を務めるのは社内のベテランたちだ。基礎学問ばかりでなく、今後は実務を絡めた実践的な講義も取り入れる予定だ。
「各プロジェクトや様々な試みから面白い技術が生まれても、優位性やお客様のメリット感が明確でなければ、ビジネスにはなりません。“これでいい”と安易に満足するのではなく、新たな課題に向かって進んでいく社員を育てたい。そのための環境整備に全力を尽くしたいと思います」
と、藤原氏は気を引き締める。

開発ビジョン2050の理解を深めるワークショップ。第1回の様子
若手社員3名がチームを組み、開発プロジェクト担当者を訪問。プロジェクトの内容について取材し、動画を編集して全社で共有している。

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