岡山県ものづくり女性中央会では、去る9月5日、四季株式会社(劇団四季)の取締役専務執行役員の越智幸紀氏をお招きし、「コロナ後の劇団四季の成長戦略」と題して講話・懇談会を開催しました。
昨年、岡山芸術創造劇場ハレノワがオープンしたことを契機に、ものづくり女性中央会のメンバーは、劇団四季の観劇を通して作品の素晴らしさに触れることはもちろんのこと、圧倒的なブランド力をもつ「劇団四季」のブランディングについて、かねてから感心を寄せていました。
そうしたなか、越智氏のご厚意により、このたび行われたミュージカル『ジーザス・クライスト=スーパースター』の岡山公演にあわせる形で講話・懇談会が実現。越智氏から劇団四季の理念や舞台の特徴等についてお話しいただきました。
まず、劇団四季には、市民社会に寄り添って純粋に人々が感動できる良質な舞台を作ること、舞台からの収入で経済的に自立すること、文化の東京一極集中を是正し、全国各地に感動を届けるといった理念があることを説明されました。
続いて舞台の特徴について、上演のクオリティを重視した作品主義をとっており、俳優の知名度によるキャスティングは避ける一方、教育投資は惜しまないとし、独自の訓練法等についてご紹介いただきました。個人としての知名度はないが、実力社会のなかで作品の魅力を伝える力を培った彼らこそが本当のスターだと話されました。
今後については、コロナ以後、リアルでの観劇が再評価されているものの、長期的には人口減少により内需減少が進むなかで、海外からの旅行者向けの「字幕メガネ」導入等の取組を紹介。さらに映像化権や二次使用権を持つことができるオリジナル作品創作に注力する方針であると述べられました。
参加者からの「若い社員等とのコミュニケーションをどうしているか」という質問には、日々悩んでいるとしつつも、若い世代は、生き残っていくことへの危機感から自己成長への思いが強いのではと分析。キャリアプランの見える化が重要と考えていると話されました。
最後に、11月から2月にかけ、約12年ぶりに広島で上演予定のミュージカル『キャッツ』の話題となり、ロングラン上演だからこそできる大掛かりな舞台とのことで、参加者からも楽しみにする声が上がりました。
今後も越智氏とは岡山で学ばれたご縁を大切に、ものづくり女性中央会とも交流していただくことを約束し、懇談会を終えました。【中央会おかやま2024年10月号より転載】